ペトリコール - forget me not -

雨上がりの匂いと勿忘草

わたしたちはいつでもハッピーエンドを待ってるの

迷子のだれかさん

迷子の 迷子の 迷子の 誰かさん

ギターがあるならうたを歌おう

ギターがないなら手を叩こう

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ミニシアターと呼ばれる場所へ

久しぶりに足を運んだ少し前のお話。

 

だいたい映画は渋谷か新宿が多いのだけど、

この日は珍しく横浜の歓楽街付近にある映画館、ジャックアンドベティへ行ってきた。

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ミニシアターのなにが好きって

窓口で愛想のない店員さんから券を買って、整理番号順に適当に入って、少し後ろの方の席に腰をおろして、小さい劇場をゆっくり体に馴染めていくのがたまらなく好きなのです。

 

大きい劇場はなんだか忙しなくて、苦手。

 

ジャックアンドベティは

ジャックとベティという2つのシアターしかなくて、劇場の中も小汚くて少し猥雑。

 

でも中には公開される映画情報や

申し訳程度のフードやドリンクが販売されている。

 

 

観に行ったのは「南瓜とマヨネーズ」。

原作は魚喃キリコさん。

 

魚喃って読めなくて、調べたら"なななん"だってさ。読めるかよ難しいよ。

 

ずいぶん前に観た好きな映画、

strawberry  short cakes の原作者でもあって

 

臼田あさ美

太賀

オダギリジョー

なんていう私的にはたまらんキャストなので

家の最寄駅をすっとばして劇場に行った。

 

良い意味でThe・邦画って感じだ。

 

邦画って毛嫌いする人多くて

だからわたしは1人映画ばかりなのだけど

 

起承転結もストーリーも曖昧だから

苦手な人が多いのもよく分かる。

 

なにが言いたかったのか分からんとか

そう言われたらわたしも答えられない。

 

邦画ってそういうものだと思うのだよ。

 

誰かの人生を

まるごと覗き見するような。

 

その人生の瞬間瞬間に

共感したり感動したりするような。

 

 

南瓜とマヨネーズ

ダメな男とダメな女が

ずるずるだらだら生活を送っていく中で

 

お互いへの思いやりとか

愛情とか

嫌悪とか

生活に入り込む第三者とか

 

そういう

よくある

ごくごく普通の

でも継続するにはそれなりに努力が必要な

そんな日常が淡々と描かれていて

 

やくしまるえつこさんがつくって

太賀がアコースティックギター1本で奏でる

「迷子の 迷子の 迷子の 誰かさん」

という歌詞が

 

臼田あさ美演じるツチダと

太賀演じるセイちゃんと

オダギリジョー演じるハギオと

 

そして観客席にいる一人一人に向けられているようで

 

優しい優しい映画だなと思う。

 

 

南瓜とマヨネーズって

手を加えないと和えられないけど

和えたらとっても美味しいわけで

 

手を加えるという行為を

間違えたり遠回りしたりしながら

それでも繰り返していく日常の

難しさともどかしさと愛しさと。

 

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これはわたしの好きなワンシーン。

ストロベリーショートケイクスのほう🍓

 

 

なにも苦しいことのない

こんな簡単な始まりでも

そのうち

すごく好きになったりし合えるのかな

 

あのひとはわたしが必要で

わたしはあの人が必要っていう

そんなふうになれるかな

 

 

誰もが1度は思うような

不安と期待と惰性が

このシーンに詰め込まれてるよね。

 

 

thanks for comming! see you.