憧れのあの子は雲の上
愛されたいよと大きな声で 泣いてる怪獣
梅雨はどこにいった。
梅雨だなぁ、なんて実感した期間はトータルしたとてせいぜい1週間かそこらしかない気がする。せっかく買ったショートのレインブーツは1回履いただけで棚の奥底にしまってしまった。
天気が良いと家から出ないともったいない気持ちにはなるのだけど、焼けたくないし汗っかきだから恥ずかしいし化粧どろどろになるし、結局あまりなにもしていない。
暑さのせいではないのだけれども、とにかく最近は不眠症で困っている。
眠れなくて寝不足のまま予定をこなして、クタクタなはずだし眠いのにベッドに入ると目が覚める。新聞配達のバイクの音を聞かずに眠ることがあまりない。
夜というものは本当に不思議なもので、くだらない悩みが深刻になり、ちょっとした自己嫌悪が病みになり、そのストレスで更に眠れなくなり、メンタル的な夜がどんどん深まっていく。
眠れない夜に映画なり本なりを嗜めばいいのだかど、寝落ちするのがもったいなくて敬遠してしまう。寝落ちすればいいのに、そこは目的が違うから手段としても取れないという感じになってしまっている。面倒かよ。
関係性に名前をつけるとしたら愛でも恋でもない火遊びのようなものに、それでも心は介在していたのだと思い知るような作品が多い。
そんなもんだから学生の頃よく聴いていたYUKIの「鳴いてる怪獣」が頭をよぎった。歌詞の中で怪獣は 泣いてる から 鳴いてる に変わっていくのだけれど、まあそれは今は関係ない。
一般的な意味での恋愛沙汰はご無沙汰だ。
東京へ来て丸3年、もう4年目になるわけだけど、そういえば私は「この人に愛されたい」と思ったことが無いように思う。
というか多分人生でそう思ったのは1回か2回か、そんなもんだ。
寂しいと思うことはあまり無いけれど、自分らしさがどうとか個性がどうとか、そういう自分にしか無いなにかを探しがちなタイプではあるから、存在価値の確認とか承認欲求とかはある。
思えばわたしはそうやって、言葉は悪いけど疑似恋愛的なものでそういうものを満たして来たなと思う。
1番になれるものはないけれど、恋愛というカテゴリーであれば可能性は無くはないんじゃないか、でも得る努力も失う悲しさも背負いたくないから、じゃあ都合のいい恋に身を任せるか、的な。
2日連続夜が遅く朝が早かったから、目の下には恐ろしいほどのクマができているにも関わらず眠れなかった昨日。
で、なんとなくグルグル回っていた頭に降って来たのは愛されたい愛したいという基本構造に基づいた愛のある事がしたいということ。
回りくどいものの言い方が得意な女は損をするし可愛くないなと思うけれど、わたしはそんな煩わしさが好きらしい。
でも千辛万苦はごめんだな。