ペトリコール - forget me not -

雨上がりの匂いと勿忘草

わたしたちはいつでもハッピーエンドを待ってるの

全カットまるでウディアレン

ずっと仕事が停滞期
書く気になれなくて締め切りが守れない
去年はこれでいくつか仕事を無くしてしまい、鬱かもしれない、と大阪と箱根に逃げた。

今年も同じような感じで、起き上がれない、眠れない、異常に眠ってしまう、つらい、つらい、そんな毎日が続いている。

気分を変えよう、と外出予定を無理やり入れたりもして、それはそれで楽しく、明日からまた頑張ろうと眠り、朝を迎えると起き上がれない。


3年ぶりくらいに髪型をボブに戻した。
ショートが恋しい気もするけれど、周りからの評判はボブの方が上々だ。


部屋に絵を飾った。

好きな絵が、好きな画家が、好きなアーティストがミーハーが故に多くて、決められなくて飾らなかった。

久しぶりに行ったマン・レイ展で息を呑んだ作品を、2ヶ月ほど悩んで購入した。

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Le Violon d'Ingres
アングルのバイオリンと名付けられたこの作品は、ドミニク・アングルという画家を崇拝していたマン・レイが、彼のヌード絵画とフランスのモンパルナスでモデルや歌手として活動し「モンパルナスのキキ」と呼ばれた女性アリス・プランからインスピレーションを受け作られた作品。

キキのヌード写真の上に弦楽器のf字孔を描き、それを再撮影する形で制作されているそうだ。

アングルのバイオリンというタイトルは、フランス語で「趣味」という意味があるらしい。

アングルの趣味がバイオリンだったようで、しかし腕前はあくまでも趣味の範囲を超えるものではなかったようだ。そんなエピソードから「下手の横好き」という意味合いがあるのでは、と考察されている。

マン・レイとは長年愛人関係であったらしく、彼らの関係を皮肉に描いた作品なのかもしれない、という一説も。


どうしてこの絵に惹かれたのかは分からないけれど、下手の横好きで暮らしをしているわたしには惹かれて当然のものな気もしている。

ガラしかり、キキしかり、画家たちに愛され、彼らのミューズであった女性たちのことを、わたしは心底羨ましいと思う。

自分も誰かのミューズになってみたいものだ。必要とされ、インスピレーションを与え、他の誰とも違う存在になりたい。

ショートヘアのキキに自分重ねたくなったのかもしれない。



ほぼ仕事で回転寿司に寄るのが精一杯だった札幌出張、普段なら絶対参加しない大人数の伊豆キャンプ。

どれも自分らしくない。

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髪を伸ばしてみたのも
珍しく外に飛び出てみたのも

すべて気分を変えたいという気持ちだけ。

そうやって厄年を足掻いて、あと2ヶ月で今年も終わる。どうにかそろそろ穏やかな日々の訪れがきてくれないだろうか。


数年ねちねち悩んでいたタトゥーは、ある日いきなりアポを取って、その1週間後には入れた。

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穏やかに、平和に、神秘的に、生命力に溢れ、気品を漂わせたい、と。生まれ年も添えて。

そうやって生きていたいという気持ちを、振り返った時に目に入る肩の端に住まわせた。


この1年の変化はなかなかどうして面白いものなのだけど、それでもわたしはあいも変わらず一人の暮らしを愛し、そして時々寂しくなり、そうやって日々を紡いでいる。



thanks for comming! see you.