ペトリコール - forget me not -

雨上がりの匂いと勿忘草

わたしたちはいつでもハッピーエンドを待ってるの

悲しくて悲しくてとてもやりきれない

この1年を振り返ると、本当に本当によく生き延びた、と自分のことを褒めてあげたい。

帰省して、おおらかな時間の流れに呑まれてとてもいい療養ができていて、

今の私と、昔から今に至るまでの私を支えて笑わせてくれる友人とも会えて、

ああ、生き延びてよかったなあ、と

そう思っていた今日、本当に今さっき、


私の人生において1番特別で
今までの人生で唯一結婚したいと思った人で
今までの人生で唯一この人の子供を産みたいと思った人で

今でも目の前に現れてプロポーズされたら「ハイ」と言えるくらい特別に、本当に愛している人で

だからといって
会うでも連絡を取るでもなく
ただ記憶と心の中にずっと住んでいた人が

結婚したことを知った。



悪い予感がするときの胸騒ぎと似た動悸がして
悲しくて悲しくて
本当に一人ぼっちになってしまった気がして
寂しくて寂しくて

私にとって特別だったようには
私はあの人の特別ではなかったと


分かっていたことを改めて思い知らされて 


この1年、頑張って生き延びたのに
これ以上わたしに辛い思いをさせるなんて、
人生はこんなにしんどいものなのかなって


ただ呆然と
まとまらない頭の中を書き綴っている。  
   


でもきっと


今までと同じように
これからもその人は一生私の特別で

もうそれは上書きも削除もなんにもできないことだろうから、

だからただただ、これからもこうして生きていくしかないわけで。


わたしがその人の存在に縋っていた間に
その人は自分の時間をきちんと歩んでいた


ただそれだけの話。


わたしはその人みたいになりたかった。


穏やかで、優しくて、賢くて
程よく怠惰で
柳のように揺れつつも決して流されることがなく
人望がありたくさんの人から尊敬されてた人。


私がその人を尊敬するように
私もその人から尊敬されたかった。


今からでも自分の歩みを自分1人で進めていくことができたなら、その人はわたしを尊敬してくれるだろうか。


2022年は、その人に尊敬される自分になることを目標にしよう。


辛い気持ちは
2021年においていこう。

その人が占めていた特別を開放して
新しい特別を探しにいこう。



ありがとう、つらいな、悲しいな。

二度と会うこともなければ
二度とあの穏やかな声を聞くこともできない

寂しいな、切ないな、会いたいな。



生まてきてくれたことに感謝したくて
その人の誕生日は未だに少しソワソワするの

その日隣で過ごせるどこかの誰かを
とても羨ましく疎ましく思うの

生まれてきてくれてありがとう、と
なんの下心もしがらみもなく思える日を

いつか迎えることができたらいいな。

thanks for comming! see you.